職業訓練で無料でプログラミングが学べるみたいだけど、ちゃんとスキルは身につくのかなぁ。就職はできるのかなぁ。
そんな悩みに実際に職業訓練のプログラミングのコースを受講した僕が答えようと思います。
結論をいうと職業訓練でもプログラミングのスキルは身につくし、就職は可能です。無料なのに加えて雇用保険(失業保険)が延長されたり、給付金が受け取れたりするので職業訓練は最高な制度だと思っています。
とはいえ、職業訓練がメリット・デメリットがあり、おすすめな人とそうでない人がいます。この記事を読んでプログラミングを学ぶ手段として職業訓練を選ぶかどうか参考にしてみてください。
職業訓練とは
職業訓練はハローワークの求職者を対象に再就職に必要な訓練を実施してくれる制度のこと。ハローワーク職業訓練窓口で相談し、訓練校での選考に合格することで受講可能になります。
テキスト代を除けば受講料は無料で、期間は3ヶ月〜6ヵ月の訓練が多いです。 プログラミングのほか、デザイン系、介護系、建築系、事務系などさまざまな訓練コースが用意されています。
なお、職業訓練は受講対象者別に大きく2種類に分けれます。
- 公共職業訓練(離職者訓練):雇用保険(失業保険)の受給資格のある人が主な対象者
- 求職者支援訓練:雇用保険(失業保険)の受給資格のない人が主な対象者
あくまで主な対象者なので受給資格が有無に関わらず、どちらでも受けられるのですが、受講できるコースや給付制限の有無などさまざまな違いがあります。詳しくは長くなるのでこの記事では割愛。詳しく知りたい方は以下の記事を読んでください。
職業訓練でプログラミングを学ぶメリット
職業訓練でプログラミングを学ぶメリットをあげていきます。
- 無料で勉強できる
- 学割が使えることがある
- 10代〜40代と受講者の年齢層が広い
- 雇用保険や受講給付金などお金がもらえる
※雇用保険=失業保険のこと
職業訓練のメリット①:無料で勉強できる
プログラミングを民間のプログラミングスクールで勉強した場合、数十万円のお金がかかります。試しにプログラミングスクールの転職に特化したコースを調べてみると以下のような感じでした。
- 侍エンジニア(転職保証コース12週間プラン):495,000円
- Code Camp GATE:495,000円
- DMM Web Camp(短期集中コース):690,800円
- TechAcademy [テックアカデミー](転職保証コース16週間プラン):437,800円
割引があったり、給付金制度が利用できたりするので実際に上記の額を払うことは少ないと思いますが、スクールを利用してプログラミングを学ぼうとすると〜50万円程度はかかることがわかります。自己投資だとしてもかなり高額。
それが職業訓練なら0円で学べるわけですから最高ですよね。
プログラミングはどこで習ってもある程度は独学にならざるを得ないので、プログラミングスクールを批判するわけではないですが、少なくとも、職業訓練校とプログラミングスクールの授業に数十万円の差があるとは思えません。
職業訓練のメリット②:学割が使える
職業訓練中は場合によっては学割が使えるようになります。僕が職業訓練に通っていた時はPhotoshopなどのAdobe製品が学割で契約できました。この辺はハロワークや訓練校に問い合わせれば教えてくれると思います。
職業訓練のメリット③:10代〜40代と年齢層が幅広い
職業訓練は受講生の年齢の幅がとにかく広いです。僕が通っていたプログラミングの訓練校は一番年下で19歳の専門学校を中退した男性、一番上は40代中盤のシングルマザーの女性でした。
プログラミングスクールの場合、転職を前提としたコースだと、受講対象はほぼほぼ20代限定。あって35歳以下のことが多いです。その点、職業訓練は原則年齢制限がないため、30代、40代でもプログラミングに挑戦しやすいです。
20歳も差30歳も歳の離れた人が同じ教室でプログラミングを学ぶのは職業訓練校ならではの光景かもしれません。
職業訓練のメリット④:雇用保険が延長される。受講給付金がもらえる
退職後に手続きをすれば雇用保険(失業保険)がもらえますが、会社都合の退職などでない限り、通常は手続きをしても2ヶ月(もしくは3ヶ月)の給付制限が発生し、すぐにはお金をもらうことはできません。
しかし職業訓練(ただし公共職業訓練)に通うと、この給付制限がなくなります。さらに雇用保険(失業保険)の受給期間も訓練中は延長されます。
またすでに雇用保険(失業保険)を受給し終わるなどして受給資格がない場合でも、本人収入が月8万以下などの条件をクリアすれば「職業訓練受講給付金(月10万円+通所手当)」を受け取ることが可能です。
しごとをお探しの方に「無料の職業訓練制度」であるハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)を説明した厚生労働省の特…
職業訓練でプログラミングを学ぶデメリット
次にプログラミングを職業訓練で学ぶデメリットをあげていきます。
- 面接・選考がある
- オンライン授業がほとんどない
- 自分のペースで学ぶことができない
- 無職でないといけない
面接・選考がある
職業訓練には定員があるため人気のコースだと倍率が高くなることもあります。地域にもよりますが、プログラミングやデザイン系は人気なことが多いようです。
仕事を辞めて訓練に通う気満々だったのに選考に落ちて希望の訓練校に行けないということもない話ではないので注意しましょう。
万が一、落ちた時に他の訓練を探すのか、あるいはプログラミングスクールで学ぶのか。次のプランを考えておくことも重要です。
オンライン授業がほとんどない
プログラミングスクールだとオンライン授業形式のところが多いですが、職業訓練は基本的に通学です。
コロナの関係でオンライン授業を導入した訓練校もあるようですが、まだまだ一部だと思います。訓練校までが遠かったりすると大変でしょう。
自分のペースで学習することができない
職業訓練は生徒〜20人程度に対して先生1人が対面で授業を行います。中学・高校の時と同じように誰か1人に授業ペースを合わせてくれるわけではありません。つまずくと授業についていけなくなる可能性は0ではないです。
もちろん授業後に質問は可能ですが、マンツーマンで授業が受けられるプログラミングスクールに比べると自分のペースで学習するのは難しいかもしれません。
無職でないといけない
職業訓練は離職者向けの訓練なので、当然と言えば当然ですが、受講するには無職である必要があります。必然的に3〜6ヶ月程度の無職期間が発生するので、「無職」という肩書きが気になる方にはオススメできません。
働きながらプログラミングを学び転職したいという方は、受講料の最大50%が支給される教育訓練給付制度が利用できるプログラミングスクールを選択すればある程度、費用を抑えて学習ができるでしょう。
教育訓練給付制度について紹介しています。…
また20代であれば無料のプログラミングスクールを選択するのも良いかもしれません。
職業訓練でプログラミングを学んで就職できるのか
職業訓練でプログラミングを学ぼうとしている人が最も気になるのが、就職できるかどうかですよね。
結論から言うと、就職できます。実際に僕が転職できているので。
ただ厚生労働省のデータを見てみると、職業訓練終了3ヶ月後での就職率は50%〜70%程度となっています。これはプログラミングだけでなく職業訓練のコース全体での数値です。プログラミングを学んで事務職についたとしても就職率にはカウントされることを考えるとあまり高い数値とは言えなさそうです。
職業訓練の就職率の低さは年齢層に広さが関係している
プログラミングスクールの場合、就職率が90%以上となっていることも珍しくありません。就職率だけに見ると職業訓練が劣っているように感じますが、決してそんなことはないと思います。
プログラミングスクールの転職コースは対象者がほぼ20代。そもそも未経験でも就職できる可能性が高い層しか受講していないのです。20代は独学でも未経験から転職できるレベルなのでそりゃ就職率は高くなります。
職業訓練の就職率が高くない理由は授業の質が低いからという理由ではなく年齢層の広さにあると思っています。
前述したように職業訓練は年齢層が広く、40代でもプログラミングを学ぶことが可能です。しかし40歳未経験の人がプログラマーに転職するというのは現実的にかなり厳しいです。
これは職業訓練で学んでもプログラミングスクールで学んでも同じことでしょう。30代・40代であれあプログラミングスキルを経験のある業界で活かす未経験でIT系に転職するなら20代ギリギリ30代という印象があります。
職業訓練でプログラミング学習するのはアリな選択肢
以上、職業訓練でプログラミングを学ぶメリット・デメリットをプログラミングスクールとの比較を交えつつお伝えしました。
雇用保険(失業保険)や給付金をもらうながら無料でプログラミングが学べる場所なんて職業訓練くらいです。未経験でIT業界に就職できるかどうかは別ですが、30代・40代でもチャレンジできるのは職業訓練の大きま魅力です。
職業訓練校に通うことは決して無駄ではありません。プログラミングスクールとどちらが良いか悩んでいるのであれば、プログラミングスクールも職業訓練も検索するだけではなく実際に相談・見学してみることをおすすめします。
ぜひ自分にあったプログラミングの学習方法を探してください。