「マンガでわかる必ず伝わるロジカル会話術」を読みました。
本書では、論理的思考と訳されるロジカルシンキングを
ロジカルに考えるだけでは成果は出ません。本当に必要なのは「ロジカルに考え」かつ「ロジカルに伝え、相手を納得させる」ことです。
とし、ロジカルシンキングを学んだ上でどうやってビジネスや日常のコミュニケーションに活かしていくかを示しています。
ロジカルな会話術について、ファミレスチェーン「デリシャス」の営業部店舗管理課の三上さつきが業績の悪い店舗三葉町店の立て直しをしていくというストーリー仕立てで紹介しており「マンガでわかる」とある通りマンガでわかりやすくさくっと読める本です。
ロジカルシンキングを学んでみたけれどどうやって活かせばいいんだろう?と思っている人にオススメです。
- マンガでわかる 必ず伝わる!ロジカル会話術の目次
- 第1章 ロジカル・シンキングからロジカル・ダイアローグへ
第2章 大工と話す時は大工の言葉で?
第3章 分けるは分かる、論理+感情=納得の公式
第4章 聞き上手はあいづち上手
第5章 詭弁に負けるな!
第6章 無知を恐れず、未知を楽しもう
伝えるときは起承転結ではなく結理事結(PREP)で
伝える基本の型といえば「起承転結」を思い浮かべる人多いと思います。しかし、ビジネスシーンなど限られた時間の中で相手に伝える必要がある場面では、起承転結が有効ではないこともあります。起承転結は文字通りはじめに話を起こすために「前置き」が必要になるからです。
あなたの話を聞きたくて集まった人たちなら前置きにもしっかりと耳を傾けてくれるでしょうが、そうでない場合は前置きの時点で飽きられてしまうかもしれません。
何の話ししてるかわからないと聞いてる側は不安になるし「つまり君は何が言いたいの?」とイラつかせてしまう可能性もあります。
そこで有効なのがPREP。起承転結ではなく「結理事結」の順で話す方法です。
PREPは
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Exanple(事例)
- Point(結論)
の頭文字です。
限られた時間の中で、単刀直入に相手に伝える際には、このPREPが有効です。ポイント(結論)とは、レーザーポインターという言葉があるように、一点を指し示すポイントであり、尖っていなければならない、つまり「相手に刺さるメッセージ」です。
そして「理由」の後に、先ほど「抽象のハシゴ」でも紹介したように、抽象度を下げて具体的な「事例」を述べると相手に伝わりやすいのです。その上で最後に、再びポイント(結論)を繰り返すことによって、メッセージを強調する手法、これがPREPの肝なのです。
使い方の例としてこんな感じでしょうか。
Point(結論):お金持ちになりたいなら筋トレするのがオススメです。
Reason(理由):なぜなら筋トレすることで分泌されるテストステロンがやる気をアップさせるからです。
Exanple(事例):実際に私は筋トレを始めたことで50万だった年収が2兆円になりました。
Point(結論):金銭面に限らずですが成功したいなら筋トレがオススメです。
言ってることはさておき、結論から始まっているので、何が言いたいのかは伝わりやすいと思います。
これは起承転結が悪で結理事結が正義という話ではありません。シーンによって使い分けるべきということです。とはいえ、個人的には物語を楽しむ系の話以外は結理事結が良いのかなぁと思います。
論理的だけでなく感情的にも受けれられなければ納得は得られない
論理的に正しいことを伝えたとしても必ずしも相手が納得するとは限りません。人間は感情の動物でもあるからです。
理屈は正しいけどなんか気に入らない!
あるいは、
気落ちはわかるけどちょっとその考えは…
人の話を聞いてそう感じたことは誰でもあると思います。論理的にも感情的にも受け入れてもらえないと納得は得られないのです。
話の道筋と根拠を正確にすれば論理的な納得は得られることでしょう。しかし感情的な納得は相手の感情を理解する必要があるため簡単ではありません。
相手の感情を理解するために身に付けたいのがMECE(ミーシー)です。
Mutually Exclusive Collectively Exhaustive(お互いにダブってないし、合わせたら網羅的になる)という意味で、数学でいうところの「全体集合」です。
網羅的に分類をして問題がどこにあるのか炙り出していくのです。
分けるがしっかりできると分かるに至ります。さつきがパートの二人の悩み事を、個人的な要因なのか?店舗運営にまつわる要因か?一時的な課題なのか?長期的なのか?と分類してみたように、問題や対象を切り分ける「切り口」がMECEなっていれば、取り組むべき課題が明確になってきます。
相手が何に課題を感じているのかを理解すれば感情的な納得を得るための手助けになります。
しかしただ机に座って相手の感情を理解したつもりになっているだけではダメで、相手への共感を示して心理的な距離を縮めていくことも必要です。
能動的に相手の状況を聞き、「なるほど」「大変ですね」「すごいですね」など話の内容に応じて適切な相槌をうったり、ボディランゲージを使ったりして共感を示すことが話し手の信頼感を得ることにつながります。
相手の状況を理解し信頼を得たところで論理的な提案ができれば相手からの納得が得られやすくなるでしょう。
ロジカル会話術の4つの段階
①自分の頭の中で、モノゴトを組み立てることができる。
②自分の頭の中で組み立てたことを、相手にわかりやすく伝えることができる。
③相手の話を聞きながら、相手の頭の中で組み立てたことを理解することができる。
④複数の人間と、それぞれの考え方を交換・共有しながら問題解決や新たな考えを共創することができる。
本書には上記のロジカル会話術に必要な4段階が16のレッスンに分けて紹介されています。
- 演繹法と帰納法をマスターせよ
- 相手の心を開くリフレクティブ・リスニング
- 意見交換の前に前提交換を
などなどですね。
ロジカルにコミュニケーション取るために役立つ情報が紹介されています。「マンガでわかる必ず伝わるロジカル会話術」を読むことで論理的に考える力が身につくだけでなく相手の納得が得られるような会話術が身につくかもしれません。
マンガなのでとても読みやすいですよ。